竹の小さな道具を手にしているのは息子です。おもちゃのように見えますが実は楽器。
アイヌの民族楽器で
ムックリというものです。
この夏、家族で北海道を旅し阿寒湖温泉で1泊しました。
木彫りの工芸品の店がずらりと並ぶ湖畔の温泉の街。その中に
アイヌコタンというア
イヌの村がありました。ここにある
アイヌチセ(アイヌの家)という小ホールでは国の重要無形文化財に指定されている
アイヌ古式舞踊の公演を見ることができるというので、夜ホテルを抜け出して息子と見に行ってきました。
ゆったりとした舞踊と歌も印象的でしたが、息子がひきつけられたのは女性二人によるムックリの演奏です。
小さな竹片についた紐を引っ張りながら口に当てて共鳴させ、とても不思議な音を出します。素朴な音?
それが意外にも神秘的でテクノ調の複雑な音が響いてくるのでびっくり!
演奏を聴くことができるサイトがいくつもありますので、興味のある方は聴いてみてくださいね。
周辺の土産物店ではどこでもこの楽器を置いていて、私たちが立ち寄ったお店では、店員さんが手取り足取り演奏の仕方を教えてくれました。口で共鳴させるのは至難の業ですが、糸を引いて単純に音を出すのにもコツがいります。その場ですぐに音が出たのに気をよくした息子は買って帰ることに。今でも気がむくと手にするようです。
息子たちも大きくなり志向も嗜好もバラバラな中を無理やり決行した夏の旅。彼らが関心を示すものは少なくて、自由時間は各自で個別に行動したりしていました。家族で旅するのはこれが最後かもしれないなあ。。。と一抹の寂しさも感じたのでした。
でもこのムックリを見ると息子と舞踊を見て、その後にそぞろ歩いた平和な時間が浮かんできてほんわかした気分に。。。そんな小さな旅の思い出の品です。