一昨日テレビドラマを珍しく息子たちと一緒に見ました。
TBSの「
僕たちの戦争」。予想外に(失礼!)面白かった。。。
息子たちは新聞の番組紹介欄を見て、「明日の記憶」の著者荻原浩が原作者であること、「ウォーターボーイズ」で馴染みのある若手俳優の森山未来が主演することで興味を持ったようでした。
2001年、バイトをクビになった19歳のフリーター尾島健太は一人サーフィンに出かけ、波にのまれて気を失い気がつくとそこは1944年、太平洋戦争真っ只中の日本。
いっぽう1944年霞ヶ浦飛行場から飛び立った特攻隊員の石庭吾一は、操縦を誤って海に墜落。目覚めると2001年の日本に。顔が瓜ふたつの二人がタイムスリップして入れ替わるというストーリー。
二人がそれぞれまったく異なる時代で直面する驚愕、絶望、無念、怒りを乗り越え、自分を必死に見つめる姿や、戦争によって犠牲になる若者たちの気持ちの振幅がわかりやすく描かれていました。
入れ替わる二人をきちんと演じ分けた森山未来の熱演と、コメディタッチの軽いノリで飽きさせない演出が良かったですね。最後のシーンの解釈は親子で意見が分かれましたが、正解はなく視聴者の思いに委ねられたのでしょうか?!
番組の
HPにプロデューサーのインタビューがありました。戦争をテーマにしたドラマ第3弾として「未来を背負う若者へ戦争の恐ろしさ、不条理を伝えていくことをねらった」そうで、その意図は十分に伝わっていたと思います。
ドラマを見終わって、また息子たちの反応を見て、戦争を知らない世代に戦争に関するメッセージを伝えていくには、きっと直球よりもこんな変化球で、北風をガンガン吹かせるよりも太陽で照らす柔軟な手法のほうが上手く届くのかしれないなあと感じました。
よいドラマだと思ったのですが、気になった点が三つほど。
ドラマのあとに「正しい戦争というものはない」という内容のメッセージが出ました。真っ当な主張ですが・・・これはドラマで描き伝えればよいことで、蛇足とまではいいませんがちょっと唐突な印象がしました。
最近は当たり前なのでしょうが、親子で見ていると突然ヒューマンドラマに出現するベッドシーンにとまどってしまいます。今回も吾一と彼女のシーンがあり、論評でもして茶化しちゃえばいいのかな。。。と思うのですが、どうも親子でシ~ンと無言になり、目の端でお互いの反応をうかがいつつ気まずい空気が流れるということに。わが家ではちょっと辛い時間。みなさんはどうしているのでしょう?
さらに、こんなふうに現代から戦時中の特攻隊へタイムスリップする話をどこかで見たなあという既視感があり、ようやく10年ほど前に見た映画「
The Winds of God」を思い出しました。ブルーハーツの歌が使われているのも共通しています。映画は監督、主演、原作、脚本を一人でこなす今井雅之の熱い思いがずっしりとつまった作品で、笑ったりホロリとさせられたりと感動した記憶があります。こちらも
サイトを見て、その後英語版の映画も製作され、今も全国を回って舞台公演をしていることを知りました。私も舞台を見てみたくなりました。
おそらく多くの若者の心をとらえたであろう戦争をテーマにした今回のドラマ。ここを入口に、他の映像や書物や映画「The Winds of God」に興味を持ってくれる若者が出てきてくれたらいいな~と期待しています。