昨日は久しぶりにランチ会。
初めて行く
和食のお店です。ビルの1階にある入り口は、小さな看板があるのみで見落としてしまいそうなのですが、粋な竹の塀と格子戸に期待がふくらみます。
店内はベーシックな茶を基調にした落ち着いた佇まいで、お店の前のバス通りの喧騒がうそのように静かで心やすらぐ感じです。椅子席とカウンターの奥に畳の小さな個室がふたつ。間に坪庭もあって目にもやさしい気配りが感じられます。
今回は
お昼の会席コース3,000円をいただきました。
いつまでたっても店内は私達のグループだけでがらんとしているので、いったいどうして・・・と思っていたら、お昼は予約のみで、ふだんは料理長のご主人ひとりでやっているため1組以上は受けられないのだそうです。店内独占という贅沢をさせてもらいすっかり長居をさせていただきました。
繊細で見た目にも美しいお料理は和食ならでは。お味も淡白で上品で身体にやさしいものばかりでした。
今回はふだんお話する機会のなかったお母さん方との会食でしたが、感心したり反省したりと、とても充実した時間でした。
若い頃、お茶を学びたくてお茶の先生のお宅に2年間住み込みで修行をした方は「どんなに頑張っても褒められることはなく、できて当たり前の世界だった。好きな道だけれど厳しいことしか言われず本当に辛かった。でもそれがあって今は愛好会でお茶も教えているし、どんなに苦しいことに直面しても、大丈夫、あの時ほど辛いことはない、と思っていくらでも乗り越えられるの」と明るい笑顔で語っていました。
また、進学校に在籍ながら美術の世界を志した息子さんのお母さんは、専門の予備校を探すとき、経済的にも余裕がなく親が本気にならなきゃと、常識のない発言で恥ずかしかったけれど「どうしても現役で〇〇芸術大学に入りたいのです」と言って「それは絶対無理です」と予備校側にあきれられたり断られたりする中で「やりましょう」という予備校を探し出して、見事に成就されたのでした。
絵の勉強のためになかなか学科の勉強に手がまわらず、テストで赤点をとっても、先生にはお母さんが「学科の勉強を軽んじているわけではなく、授業はちゃんと聞くように、人生にとっても大事な科目だと言い聞かせ本人も興味をもって学んでいます。でも今はそれをテストのために暗記する時間がないのでどうか大目にみてやってください」と頼んだのだそうです。
他にもお子さんがトラブルに巻き込まれたときに、ひとりで抱えずにいろいろな方面に相談をしたり、先生や学校側の対応に疑問を感じたときに勇気を持って学校へ電話をしたら、学校も配慮に欠けたという誠意を示してくれたりと、いろいろなケースを聞いて、私はこれまで子供のことでそこまで突っ込んで考えたりじっくり話し合ったり、行動したことがあったかしら。。。と情けなくなりました。
どのお母さんも目先の利益や自分の子供だけをひたすら守るという姿勢ではなく、子供やその友人がよりよい環境で多くの経験を積んで豊かな人生を送ってほしいと心から願っているのですね。
主婦のランチなんてどうせ世間話や噂話ばかりと思われるかもしれませんが、誘われて行くランチ会ではメンバーこそ違えどいつも教えられたり学んだりと刺激をたくさんもらって帰ってきます。目下修行中?の身の息子にもたくさんの激励のメッセージをいただきました。すてきな皆さんに囲まれて、私は本当に恵まれているなあと思います。
昨日のお料理をご紹介します。お店は
やなぎ家。
写真は上から
先付(ふきのウニ和え)、
季節の前菜、
お造り、(カツオ)
焚物、メインの
朴葉焼とご飯・お味噌汁、
デザート(桜アイスと夏みかんのゼリー、ぶどう)
です。
写真の色がよく出なかったのですが、実際はもっともっと美味しそうな色でした。