このところケガのため外出せず家の中でのんびりと静養中。部屋のホコリや散らかりには目をつぶり、読書をしたり、未見のDVDでお1人様シアターを味わったりとちょっと後ろめたい生活ですね。トリノオリンピックも始まり、かなりテレビ漬けです。
これまであまり見なかったテレビドラマもいつの間にか週末の楽しみになってしまいました。
金曜夜の「
時効警察」と土曜夜の「
氷壁」です。
「
時効警察」は刑事ものとは程遠いゆるゆるとした不思議な空気感が魅力。金曜の夜にふさわしくソファに足を投げ出して、肩の力を抜いて、身体の隅々の神経をほわぁ~と緩ませて見られるドラマです。
時効管理課の警察官
霧山(オダギリジョー)が交通課の警察官
三日月(麻生久美子)を誘って、週末に時効になった事件を趣味で捜査するという奇妙なお話。かわいい三日月さんが寄せる好意にまったく気づかないのか、あくまでもマイペースで進む三枚目の霧山くんが笑いを誘います。しかし普段はぼうっとしてどこかずれているのに、なぜか推理を始めると冴えるんですね。そして最後には犯人の前で解決し、「事件はもう時効ですから」と断って『誰にも言いませんよカード』に認印を押して犯人に渡します。
犯人捜しや謎解きの面白さがあるわけではないのですが、2人のコメディタッチのかけあいや個性豊かな同僚たち、あちこちに散りばめられた小ネタや伏線が絶妙で「クスッ」と笑ってしまいます。毎回ゲストが登場し、脚本・演出も活躍中の方が数名で交代して担当しているので回ごとの変化も楽しめますね。
一方の「
氷壁」は正反対に重く緊迫したドラマ。NHKなのでCMもない1時間を緊張しきって見てしまい、気がつくと手がグーになって手のひらに汗をかいているなんて感じでしょうか。
第2話のK2登攀シーンは大自然の過酷さと雪山の美しさと男の友情が見事に描かれていました。しかしその後舞台は地上に戻り、話はK2での
北沢の滑落事故の原因をめぐる裁判や、主人公
奥寺と登山用具メーカー八代の社長夫人=裁判ではいわば敵味方となる
美那子との愛へ発展。原作と内容が離れていくのは仕方ないのですが、山の映像が出てこなくなったのが残念です。そしてあんなに熱く語っていた男の友情は何処に。二人が惹かれ合うのはいいとして、それを視聴者が「ああ、なるほど」とすんなり納得できる描き方にしてもらえるといいのですが・・・。でも主人公も人妻役も美しい俳優・女優さんでうっとりしますし、脇を固める俳優さんたちの演技が光ります。
残念なことにトリノオリンピックで1週休みが入ってしまいました。この先、事故の真相は究明されるのか、迷走する二人はどうなるのか、裁判の行方は、あの手この手で奥寺を陥れようとするメーカー八代側の策略は成功するのか、小説とは異なる終結を迎えるのか等々続きが気になります。最後には奥寺がK2に登る場面が登場するようですし、また手に汗握って見ることでしょう。