GWの最中、今年も行ってきました。
ラ・フォル・ジュルネ「熱狂の日」
音楽祭(公式サイトは
こちら)
モーツァルトをテーマにした昨年の音楽祭で、オペラ:
コジ・ファン・トゥッテを聴いたのがきっかけです。
今年のテーマは
民族のハーモニー。多様な作曲家の作品を組み合わせたプログラムですね。5日間に有料・無料の約300公演が有楽町の東京国際フォーラムの各会場で催されたほか、丸の内にも特設会場が設けられたそうです。
私が聴いたのは5月5日の有楽町での夕方からの公演2つ。
ホールA<ドストエフスキー> 公演
No.414
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
小菅優(ピアノ)/ビルバオ交響楽団 ファンホ・メナ(指揮)
5000人規模のホールで良い音を期待するのは無理で、ふだんは国際フォーラムでのコンサートはパスするのですが、お祭りとなれば別。
満席のホールを見て感激し、クラシックを楽しむ人が5000人も集うって壮観だなあと感慨に浸りました。
小菅優さんのピアノは難曲をものともしないテクニックはもちろんのこと、曲の流れと構成をよくつかんだ深い解釈が感じられる演奏で、弱音も美しかった。赤い光沢のあるドレスもよく似合って素敵でした。ただ、オーケストラのただがなりたてるような演奏によってピアノの音がかき消されることが多く残念でした。
ホールC<カフカ> 公演
No.446
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「結婚」
バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ
キャロライン・サンプソン(ソプラノ) スーザン・パリー(アルト)
フセヴォロド・グリヴノフ(テノール) デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(バス)
マルクス・ベルハイム(ピアノ) フリーデリーケ・ハウク(ピアノ)
ユルゲン・クルーゼ(ピアノ) ベンヤミン・コブラー(ピアノ)
カペラ・アムステルダム(合唱)
ムジーク・ファブリーク(パーカッション)
ダニエル・ロイス(指揮)
バルトークはどちらかというと苦手なのですが、このソナタはピアノと打楽器の掛け合いのスリリングな演奏に魅せられた曲。
それに「結婚」はピアノ4台の伴奏に打楽器、4人の歌手、合唱というユニークな編成ゆえ滅多に生演奏を聴くことがない曲。私としてはとてもうれしいプログラムです。
バルトークはちょっと音にまとまりがない印象でしたが、パーカッションの演奏者二人の動きを追っていくと新鮮で面白かったですね。
「結婚」はロシアの伝統的な農民の結婚の様子を音楽化したもの。初めは民謡をベースにしたような不思議なソプラノの歌に面食らったのですが、聴いていくうちにソリストの声と合唱、ピアノ、打楽器が奏でる圧倒的な音の渦にのみ込まれ、音のうねりとリズミカルな躍動に心地よい酔いを感じました。名曲ですね!小編成ながら大きな宇宙を体感したようなすばらしい演奏でした。
今回、合唱団は輸送のトラブルで衣装が日本に届かなかったそうで、おそろいの音楽祭の黒いTシャツ姿で登場。でもまったく違和感なくむしろ親しみを感じました。
コンサート前にホールCのビルから外を見下ろすと、広場にあるステージの回りの人だかりがすごい!音楽に合わせて踊っている人もいましたよ。屋台も出ていて楽しそうでした。
お客さんは年々増えているようですし、
公式サイトも充実しています。専属レポーター数人によるタイムリーな
公式レポートは、1日に何回も更新され、演奏家の素顔や舞台裏を垣間見せてくれました。
また
試聴コーナーでは、2社の提供で、音楽祭の全プログラム曲の冒頭やさわりが試聴できるというサービスがあり、コンサート前に予習したり、馴染みのない曲を聴くことができて便利。
これはハマるとなかなか抜けられないお祭りですね。私もすっかりはまってしまったようで。。。
来年は「
シューベルトと同時代の作曲家たち」がテーマになるそうです。
シューベルトの埋もれたオペラってたくさんあるんですよ。ひとつぐらい取り上げてもらえないかな~と密かに期待しています。